肥料のN・P・Kとは?窒素・リン酸・カリの働きと肥料表示の見方を解説

肥料の袋に書かれている「N・P・K」は、窒素・リン酸・カリのことです。

この3つは肥料の基本となる成分で、それぞれ働きが異なります。

この記事では、N・P・Kの働きと「8-8-8」などの肥料表示の見方をわかりやすく解説します。

目次

肥料のN・P・Kとは?

N・P・Kは、植物の生育に欠かせない代表的な肥料成分で、「肥料の三要素」と呼ばれています。

記号成分主な働き
N窒素葉や茎の生育に関わる
Pリン酸花や実の生育に関わる
Kカリ根や植物全体の生育に関わる
N・P・K(窒素・リン酸・カリ)が葉・花や実・根の生育に与える役割を示した図解

N=窒素、P=リン酸、K=カリです。

窒素は「葉肥」、リン酸は「実肥」、カリは「根肥」と呼ばれることもあります。

ただし、それぞれ葉・実・根だけに働くわけではありません。3つとも植物の生育に欠かせない成分です。

N・P・Kはそれぞれ何に効く?

N・P・Kはどれも植物の生育に必要ですが、それぞれ主な働きが異なります。

N(窒素)の働き

窒素は、葉や茎の生育に深く関わる成分です。

葉を大きく育てる働きがあることから、「葉肥」と呼ばれることもあります。

特に葉物野菜では、生育に欠かせない重要な成分です。

P(リン酸)の働き

リン酸は、花や実の生育に関わる成分です。

開花や結実にも関係することから、「実肥」と呼ばれることもあります。

トマトやナスなど、実を収穫する野菜でも重要な成分です。

K(カリ)の働き

カリは、根の生育や植物の水分調節などに関わる成分です。

「根肥」と呼ばれることもありますが、根だけでなく植物全体の生育を支える役割があります。

肥料袋の「8-8-8」はどういう意味?

肥料の袋にある「8-8-8」などの数字は、窒素・リン酸・カリの成分割合を示す表示です。

「8-8-8」であれば、一般に次の割合を表しています。

  • 窒素:8%
  • リン酸:8%
  • カリ:8%

数字は、窒素→リン酸→カリの順で表示されます。

肥料では、窒素はN、リン酸はP₂O₅、カリはK₂Oとして成分量が表されます。

10kgの8-8-8にはどれくらい入っている?

10kgの8-8-8肥料なら、8%に相当する量は、

10kg × 8% = 0.8kg

です。

つまり10kgの肥料では、窒素・リン酸・カリがそれぞれ0.8kgに相当します。

肥料袋の数字が分かると、同じ量を使ったときに、どれくらいの肥料成分を施すことになるのか比較しやすくなります。

「保証成分量」を見るとさらに詳しく分かる

肥料の中身を詳しく確認するときは、袋に記載されている「保証成分量」を見ます。

保証成分量は、肥料メーカーなどがその肥料に含まれることを保証している主な成分量を%で示したものです。

たとえば、次のような形で表示されています。

保証成分保証成分量
窒素全量8.0%
りん酸8.0%
加里8.0%

肥料によっては、「アンモニア性窒素」「水溶性りん酸」など、成分がさらに詳しく表示されているものもあります。

保証成分量は、その肥料を分析した実測値をそのまま表示した数字ではありません。

その肥料について、どの成分がどれくらい保証されているのかを確認するための数字です。

8-8-8と14-14-14は何が違う?

「8-8-8」と「14-14-14」の違いは、含まれている肥料成分の割合です。

同じ10kgの肥料で比べると、次のようになります。

肥料窒素リン酸カリ
8-8-80.8kg0.8kg0.8kg
14-14-141.4kg1.4kg1.4kg

14-14-14の方が、同じ重さでも多くの肥料成分を含みます。

ただし、数字が大きいほど良い肥料というわけではありません。

必要な肥料の量は、育てる野菜や土の状態によって変わります。

なぜN・P・KなのにP₂O₅・K₂Oと表示する?

肥料では一般に「N・P・K」と呼びますが、成分量は次の形で表示されます。

成分肥料での表示
窒素N
リン酸P₂O₅
カリK₂O

リン酸とカリは、肥料の成分量をP₂O₅・K₂Oに換算して表示します。

そのため、P₂O₅やK₂Oの数字は、それぞれリン酸・カリの成分量を表すための表示です。

N・P・Kの数字が大きい肥料ほどいい?

N・P・Kの数字が大きいほど、同じ重さに含まれる肥料成分は多くなります。

しかし、数字が大きい肥料ほど良いというわけではありません。

肥料を必要以上に与えると、作物が必要とする量を超えたり、土に養分が蓄積したりすることがあります。

肥料を選ぶときは、「何を入れるか」だけでなく、「何をこれ以上増やしたくないか」も考えることが大切です。

育てる野菜や土の状態に合わせて、必要な成分を必要な量だけ施します。

肥料を選ぶときはN・P・Kをどう見る?

肥料を選ぶときは、N・P・Kの数字だけでなく、育てる野菜や土の状態も合わせて考えます。

育てる野菜に必要な肥料量を確認する

野菜によって、必要な肥料の量は異なります。

まずは育てる野菜の施肥量を確認し、それに合わせて肥料を選びます。

堆肥から入るN・P・Kも考える

牛ふん・豚ふん・鶏ふんなどの堆肥にも、N・P・Kが含まれています。

堆肥と肥料を一緒に使う場合は、堆肥から入る養分も含めて考えることが大切です。

土に残っている養分も考える

土にすでに養分が多く残っている場合は、さらに同じ成分を入れる必要がないこともあります。

土壌分析ができる場合は、現在の土の状態を確認してから肥料を選ぶと、必要な成分を判断しやすくなります。

肥料はN・P・Kの数字だけを見るのではなく、「作物に必要な量」「堆肥から入る量」「土に残っている量」を合わせて考えて選びます。

N・P・Kについてよくある疑問

N・P・Kが同じ割合の肥料を使えばいい?

必ずしも同じ割合の肥料が適しているとは限りません。

必要なN・P・Kの量は、育てる野菜や土の状態によって変わります。

肥料の数字だけでなく、必要な施肥量や土に残っている養分も見て選びます。

堆肥にもN・P・Kは含まれる?

牛ふん・豚ふん・鶏ふんなどの堆肥にも、N・P・Kは含まれています。

含まれる量は堆肥の種類によって異なるため、肥料と併用するときは堆肥から入る養分も考えます。

N・P・K以外の肥料成分も必要?

植物の生育には、N・P・K以外の成分も必要です。

カルシウムやマグネシウム、硫黄のほか、鉄やマンガンなどの微量要素も植物の生育に関わっています。

N・P・Kは重要な成分ですが、植物に必要な養分はこの3つだけではありません。

まとめ|N・P・Kが分かると肥料表示を読めるようになる

N・P・Kは、肥料の基本となる3つの成分です。

  • N(窒素):葉や茎の生育に関わる
  • P(リン酸):花や実の生育に関わる
  • K(カリ):根や植物全体の生育に関わる
  • 「8-8-8」などの数字は、肥料成分の割合を表す
  • 数字が大きいほど良い肥料とは限らない

N・P・Kの意味が分かれば、肥料にどの成分がどれくらい含まれているのかを自分で確認できるようになります。

育てる野菜や土の状態に合わせて、必要な成分と量を考えて肥料を選びましょう。

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この記事を書いた人

代々続く農家に生まれ、気づけば農業歴22年。水菜・ほうれん草・しいたけなどを栽培してきました。

野菜づくりで一番好きなのは、発芽と収穫の瞬間。野菜を食べるのも料理するのも大好きで、調理師免許も持っています。

気になったことは自分で試してみたい性格。農家としての経験と実際の比較実験をもとに、家庭菜園の楽しさを発信しています。

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