「土壌pH測定器を買ったけれど、使い方がよくわからない」
「土に差し込んでも針が動かない」
「測るたびに数値が違うけど、どれが正しいの?」
そんな疑問はありませんか?
土壌pH測定器は、土の酸性・アルカリ性を簡単に調べられる便利な道具です。
ただし、土に差し込むだけで、いつでも正しく測れるわけではありません。
特に大切なのが、土の水分と測定器の使い方です。
この記事では、土壌pH測定器の正しい使い方から、うまく測れないときの対処法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
正しく測るために大切な3つのポイント
土壌pH測定器で正しい数値を得るには、次の3点が重要です。
- 水分:測定器に適した水分状態にする
- 密着:電極と土の間に隙間を作らない
- 確認:電極の状態を確認し、指定された時間を守る

この3つを意識するだけでも、測定時の失敗を減らせます。
それでも数値がおかしい場合は、測定器の測定範囲や故障の可能性も確認しましょう。
なお、正確な土壌診断が必要な場合は、専門機関による土壌分析も活用してください。
土壌pH測定器とは?何がわかる?
土壌pH測定器は、土が酸性なのかアルカリ性なのかを調べる道具です。
pH(ペーハー)は、次のように表されます。
| pH | 土の状態 |
|---|---|
| 7より低い | 酸性 |
| 7 | 中性 |
| 7より高い | アルカリ性 |
多くの野菜は弱酸性から中性に近い土を好みますが、適したpHは野菜によって異なります。
例えば、ほうれん草は酸性に弱い野菜です。
土が酸性に傾きすぎると、生育が悪くなることがあります。
そのため、野菜を植える前に土のpHを確認しておくと、土づくりの判断に役立ちます。
ただし、pHだけでは、土に含まれる肥料成分の量まではわかりません。
あくまで土の状態を知るための、ひとつの目安として活用しましょう。
土壌pH測定器の種類
家庭菜園で使われる土壌pH測定器には、主に次のような種類があります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| アナログ式 | 土に差し込み、針が示す数値を読み取る |
| デジタル式 | 測定値が画面に表示される |
| 試験液・試験紙式 | 土と水を使い、色の変化でpHを確認する |
アナログ式とデジタル式は、表示方法の違いです。測定方法は製品によって異なります。
この記事では、家庭菜園でも使いやすい土に直接差し込むタイプを中心に説明します。
※測定器によって使用方法や測定できる土が異なるため、必ず取扱説明書を確認してください。
土壌pH測定器の正しい使い方【5ステップ】
差し込み式の測定器なら、基本的な作業は難しくありません。
ただし、測定前の準備によって結果が変わることがあります。
順番に確認していきましょう。
① 測定する場所を決める
まずは、pHを調べたい場所を選びます。
畑の土は、どこも同じ状態とは限りません。
肥料や石灰のまき方、水はけなどによって、場所ごとにpHが異なることがあります。
畑全体の状態を知りたい場合は、1か所だけでなく、数か所を測定するとよいでしょう。
また、畑全体のおおよそのpHを知るために、複数か所から採取した土をよく混ぜて測定する方法もあります。
ただし、生育の悪い場所など、特定の部分を調べたいときは、ほかの土と混ぜずに別々に測定しましょう。
② 土を適度に湿らせる
ここは特に大切なポイントです。
金属電極を使う差し込み式の測定器では、土が乾燥しているとうまく測れないことがあります。
土が乾いている場合は、必要に応じて水を加えましょう。
シンワの金属電極式測定器では、手で握ると泥団子が作れる程度の水分が目安とされています。
水を加えたあとは、20〜30分ほどなじませてから測定します。
ただし、水分量や待ち時間は製品によって異なるため、説明書に従ってください。
③ 測定器を土に差し込む
土の準備ができたら、測定器を差し込みます。
このとき大切なのが、電極と土をしっかり密着させることです。
電極の周りに隙間があると、正しい数値が出ない場合があります。
差し込んだあとに隙間がある場合は、周囲の土を軽く寄せて密着させましょう。
また、石や硬い土に無理に押し込むのは避けてください。
測定器が傷つく原因になります。
※差し込む深さは、使用する製品の指定に従ってください。
④ 数値が安定するまで待つ
測定器を差し込んだら、すぐには抜かず、数値が安定するまで待ちます。
例えば、シンワの一部のアナログ式測定器では、約1分間が目安です。
針や画面の数値が安定したら、正面から読み取りましょう。
待ち時間は機種によって異なります。
⑤ 場所を変えて測定する
1か所だけでなく、場所を変えて測定してみましょう。
例えば、次のような結果だったとします。
- 1か所目:pH6.0
- 2か所目:pH6.2
- 3か所目:pH6.0
このように近い数値であれば、測定した場所のpHはおおむね似ていると考えられます。
一方、場所によって大きく違う場合は、土の状態にばらつきがある可能性があります。
測定した場所と数値を記録しておくと、次回の土づくりにも役立ちます。
土壌pH測定器で測れない・数値がおかしいときの対処法
測定器を使っていると、針が動かなかったり、数値が安定しなかったりすることがあります。
そんなときは、すぐに故障と判断せず、次のポイントを確認してみましょう。
① 針が動かない・数値が表示されない
まずは、土の水分と電極の状態を確認しましょう。
考えられる原因
- 土が乾燥している
- 電極と土が密着していない
- 電極が汚れている、酸化している
- 測定できるpHの範囲を超えている
解決方法
最初に、土が乾きすぎていないか確認します。
水分が必要な測定器なら、土を適度に湿らせてから測り直しましょう。
次に、電極と土がしっかり密着しているか確認します。
それでも針が動かない場合は、電極の汚れや酸化を確認してください。
シンワの一部の金属電極式測定器では、使用前に目の細かいサンドペーパーで電極を軽く磨くよう指定されています。
ただし、電極のお手入れ方法は機種によって異なります。
必ず説明書に従ってください。
② 測るたびに数値が違う
同じ土を測っているのに、数値が変わることがあります。
考えられる原因
- 土の水分が均一ではない
- 電極と土の密着状態が変わっている
- 石や根などが測定部分に当たっている
- 数値が安定する前に読み取っている
解決方法
まずは土の水分を均一にしましょう。
そのうえで、電極と土をしっかり密着させ、説明書で指定された時間を守って測定します。
測定部分の周囲に石や大きな根がある場合は、それらを避けて測り直しましょう。
それでも数値が大きく変わる場合は、電極の状態も確認してください。
なお、測定器には一定の誤差があります。
わずかな数値の違いまで気にしすぎる必要はありません。
③ 畑の場所によってpHが違う
同じ畑でも、測る場所によってpHが違うことがあります。
これは必ずしも測定ミスではありません。
考えられる原因
- 肥料や石灰のまき方が違う
- 土質や水はけが異なる
- 測定する深さが違う
解決方法
畑全体のpHを知りたい場合は、複数か所を測定しましょう。
より代表的な土を調べたい場合は、数か所から作土層の土を同じくらいの量ずつ採取し、よく混ぜる方法もあります。
畑では深さ20cm程度までの土を採取する方法がありますが、目的や栽培条件によって適切な深さは異なります。
なお、生育の悪い場所を調べたいときは、その場所の土を別に測定してください。
④ 石灰をまいたのにpHが上がらない
石灰をまいたあと、すぐに測定しても期待した数値にならないことがあります。
考えられる原因
- 石灰がまだ土になじんでいない
- 石灰が均一に混ざっていない
- 土の酸性を中和する量が不足している
解決方法
石灰を土によく混ぜ、しばらく時間を置いてから測定しましょう。
例えば、シンワの測定器の説明では、石灰をまいてから1〜2週間程度なじませることが案内されています。
それでもpHが低い場合、すぐに石灰を追加するのは避けましょう。
土質によって必要な石灰の量は違います。
また、pHが低いからといって、必ず石灰成分が不足しているとは限りません。
必要に応じて土壌分析を行い、肥料成分や石灰成分の状態も確認することが大切です。
⑤ プランターの土がうまく測れない
市販の培養土では、差し込み式の測定器がうまく反応しないことがあります。
考えられる原因
- 腐葉土やピートモスなどが多い
- 土の粒が粗い
- 電極と土が十分に密着していない
- 測定器が培養土に対応していない
解決方法
まずは、使用している測定器が培養土に対応しているか確認しましょう。
市販の培養土には、腐葉土や軽石などが含まれています。
こうした土では、電極と土が十分に密着せず、正しく測れない場合があります。
測定器が対応していない場合は、無理に測定を繰り返さず、土と水を混ぜて測るタイプなど、別の測定方法を検討しましょう。
測定したpHはどう判断する?
測定したpHは、育てたい野菜に適した数値と比べてみましょう。
代表的な野菜の目安は次のとおりです。
| 野菜 | 適正pHの目安 |
|---|---|
| ほうれん草 | 6.5〜7.0 |
| トマト | 6.0〜6.5 |
| ナス | 6.0〜6.5 |
| 白菜 | 6.0〜6.5 |
| 大根 | 6.0〜6.5 |
| ジャガイモ | 5.0〜6.0 |
※一般的な栽培目安です。土壌条件や栽培方法によって適した範囲は異なります。
例えば、ほうれん草を育てる畑でpH5.0だった場合は、酸性が強すぎる可能性があります。
一方、pH6.5なら、酸度の面ではおおむね適した範囲といえるでしょう。
ただし、pHが適正だからといって、土の状態がすべて良いとは限りません。
肥料成分の過不足や水はけなど、野菜の生育に関わる条件はほかにもあります。
pHは土の状態を知るための、ひとつの目安として活用しましょう。
関連記事:野菜別の適正pH一覧と土づくりの基本
土壌pH測定器を使うときの注意点
最後に、測定ミスや故障を防ぐための注意点を紹介します。
測定後は電極の汚れを落とす
測定部分に土が残っていると、汚れや酸化の原因になることがあります。使用後は説明書に従ってお手入れしましょう。
測定器で土を掘らない
硬い土に無理に差し込んだり、測定器の先端で土をほぐしたりすると、破損するおそれがあります。
測定できるpHの範囲を確認する
測定器によって測定範囲は異なります。
例えば、pH4.0〜7.0までしか測れない製品では、それより高いpHを正確に測定できません。
測定値だけで石灰や肥料を追加しない
土の酸性・アルカリ性と、肥料成分の量は別のものです。
測定結果を参考にしながら、必要に応じて土壌分析も活用しましょう。
まとめ|土壌pH測定器は測る前の準備が大切
土壌pH測定器は、土づくりの目安を知るために便利な道具です。
正しく測定するためには、次のポイントを押さえておきましょう。
- 土の水分を適切な状態にする
- 電極と土をしっかり密着させる
- 説明書で指定された時間を守る
- 複数の場所を測定する
- pHだけで肥料や石灰の量を決めない
特に金属電極式の測定器では、土が乾燥していたり、電極と土の間に隙間があったりすると、うまく測定できない場合があります。
数値がおかしいと感じたら、まずは土の水分と測定方法を確認してみてください。
土づくりで大切なのは、何となく肥料や石灰をまくのではなく、まず自分の畑の状態を知ることです。
土壌pH測定器を上手に活用して、野菜が育ちやすい土づくりに役立てましょう。


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